2012年3月21日水曜日

3月10日 現代能 「春と修羅」 を観て来ました。

管理人は、去る3月10日、赤坂レッドシアターで「春と修羅」を見てきました。こちらはその紹介記事
鵜澤先生から「「春と修羅」見に来ない?」と珍しくお誘いをうけ見に行ってみました。
前から長い期間、この舞台の稽古が続いていることは聞いてましたが、内容はしりませんでした。
舞台は真の闇の中からはじまりました。
役者さんが何人か舞台に入ってくるかすかな気配がします。
耳をすますと、呼吸音だけが聞こえてきます。それがやがて息が出る破裂音になり、オノマトペのような、音になり、つながって、言葉になっていきます。
気が付くと自分が井戸の底のような、森の奥のような、黄泉の国のような不思議な、なつかしいような空間にいることにきがつきます。

宮沢賢治の代表的な詩「春と修羅」を中心に、おなじみの「どんぐりと山猫」、「注文の多い料理店」などの作品、「書簡」がたいへんいい感じに有機的にコラージュされていました。
岩手の自然をなめるように愛する賢治、戦争の悲しさ、苦しさ、最愛の妹を失う瞬間の苦しさ、つらさなどの賢治が経験した心象風景が役者さんの身体を使って表現されます。そんなことできるの?と思われるかもしれませんが、本当に風景があざやかに浮かびました。賢治の心が見えない空気の塊になって舞台に渦巻いているかのように感じました。
その空気圧の中心になっていたのは鵜澤先生の身体の存在感と感じました。
衣装はコンテンポラリーダンスのダンサーのようなワンピースです。
「きのこみたいだったでしょ?」と後で言われました。
また「料理店」のときはなんとなくお顔が山猫っぽくなってたような・・・。
能では性別を越えるのみならず、花の精にもなるし、内側からなんにでも変容できるでしょうか。

現代能を生で見たのは初めてですが、この舞台はだれでも楽しめる、
イマジネーションを豊かにしてくれる作品でした。

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